雑草と向き合う稲作の知恵 2014年6月20日 抑草

稲作の最大の敵は雑草です。
それが秋の収穫の善し悪しを決める最大のポイントといっても過言ではありません。
なぜ田植えをするのか。
田んぼに雑草が生えるには、ある一定の条件が必要になります。
水であったり、気温、水温、土の状況であったり。
様々な条件が整うと、雑草の種が一斉に発芽し成長していくわけです。
田んぼの代掻きは、田んぼ表面の高低や状態を平均化することと、水管理をしやすくするため表面にこまかな泥の層を作り水持ちしやすいプールをつくることが目的ですが、もうひとつ大切なのが、土の表面をリセットすることです。
つまり田植えをする直前に、発芽が始まってしまった雑草の芽を一旦なぎ倒し、土に埋め、表面を発芽前の状況に戻すという作業です。
そこにすでに発芽後20日以上たった稲の苗を植えることで、スタートラインを他の雑草より前にするということになります。
しかし雑草の勢いは強く、株間からどんどんと生えて追いつこうとします。
それをいかに防ぐのか、いかに稲の優位性を保ったまま、分けつ(株別れ)を増やし、田んぼに稲をうっそうと繁らせ、地表に光をいかさないようにするのか。
除草剤などの化学的な農薬を使わずに行う知恵がいろいろあるんですね。

(追記)
抑草には色々方法があって、一番わかりやすいのが草取りです。
その名の通り、田んぼに入って草を取ります。
草を取るといっても大半の草は土に埋め込んでしまいます。
土に、そして肥料に返すのです。
しかし、その作業は大変。
夏の暑い最中に、泥にまみれての草取り作業は、ほんまに骨が折れます。
そら、除草剤とか薬を使いたくなる気持ちもわからんでもないです。
でも、その作業をあまりしなくても良い方法も、実はあるんです。
自然の摂理というか、植物のしくみというか、
いろいろ理にかなったやり方っていうのが、調べればあるということが分かってきました。
そうした自然のなりたちに逆らわず作っていくやり方を、子どもたちに学んで欲しい。



泥遊びか農作業か? 2014年5月31日 田植え

いよいよ前半戦の山場、田植えです!
毎回思いますが、子どもたちが田植えをするということは、その場がカオスな状態になることなんですね(笑)。
もはや、管理しきれません。
みんな田植えでどろどろなのか、遊んでどろどろなのか。
それでもしっかり植えないといけないので、大人が尻ぬぐいをします。
笑えます。
でもね、それでいいんです。
田んぼというフィールドで、自分の気持ちや感覚を解放できるって、そんな良いことありません。

田んぼに来て良かったね、楽しかったね って、
彼らの記憶の片隅に、その楽しさとこの美山の環境が少しでも残ってくれたら、それがこのプロジェクトの成果なのだと信じます。

滅多にできない本気の泥遊びを、一生に一度でも体験できるかできないか、
もしかしたらその経験は、彼らの人生の価値をきっと良いものにしてくれると思います。
このような環境を用意してくださった地元の皆さんに、この泥だらけの子どもに成り代わって感謝します。(笑)














播種から10日 すくすくと育つ苗 2014年5月12日、19日 発芽〜育苗

播種から約6日。
ビニールと不織布、そしてなにより温かい水と土に守られて、ゆっくりと発芽が始まりました。
ビニールトンネルの中を、日中30度あたりに温度が保てるよう、朝、昼、夕方とこまめにビニールの上げ下げ、水位の調節を行いました。
子どもたちが田植えに来るまでに苗をしっかり育てないと行けません。

その後約1週間で、いよいよ苗が大きくなってきました。
昨年よりも良いペースで育っています。
やはり直に田んぼに播種というのが功を奏したようです。


美山で三年目のお米作り開始 2014年5月6日〜播種

今年で三年目となります、京都美山町で毎月開催されている子ども自転車教室ウィーラースクールにあわせ企画された「みんなでお米を作ろう!美山銀輪米プロジェクト」。
今年も、ウィーラースクールの本部のある宮島地区和泉の農事組合のご協力を得て、12家族、総勢50名以上の参加をいただき、2014年5月5日(土)の播種(種まき)を皮切りにはじまりました。
サイクリングの聖地として人気の高いこの美山町も、近年の人口減少により田んぼを耕作し続けることが、徐々に困難な状況に陥りつつあります。
それでも地元の農家の方々の努力により、現在も田んぼは営々と維持され、私たちサイクリストは美しい田園風景を楽しむことができています。
そんな価値のある環境を、サイクリストも自ら行動して守っていこうというのが、美山自転車の聖地プロジェクトの理念でもあります。

そしてその環境を使って年間10回以上のプログラムを運営し、広く町内外から多くの子どもたちを集めている、ウィーラースクールを活用し、そのスクールで美山に訪れた子どもたちに、是非お米を作る楽しみ、そして苦労、なにより自分たちで作ったお米のおいしさを感じてもらおうというのが、この銀輪米プロジェクトの趣旨です。
作付けの品種はキヌヒカリ
すべて無農薬、無化学肥料で栽培し、刈り取り後は天日で干します。

昨年までの二回は約0.4反の田んぼで耕作していましたが、今年は2反の田んぼに四倍増!
なかなかの苦労が予想されますが、たとえ収穫量が少なくとも、とれたてのお米をお釜で炊いて食べることのできるその瞬間まで、みんなで楽しみながらがんばろう!

写真は、5月6日に行われた播種の様子です。